皆さんこんにちは、鍼灸師の芍薬です!

最近仕事でストレスが強くなって・・・
ささいなことでイライラしてしまいます。

それは大変ですね。
他にどんな症状がありますか?

お腹が張って苦しいです。
あと、喉がつかえる感じがして、水を飲んでも消えなくて困っています。

Aさんは気滞(きたい)の傾向があるかもしれません。
詳しくお話を聞かせて頂けますか?
イライラしやすい、怒りっぽい、胸がつかえる・・・
それは「気滞」のせいかもしれません。
今回は「気滞タイプ」について詳しく解説します!
そもそも「気」って何?

そもそも「気」って何なんですか?何だか怪しい・・・

その気持ち、よ~く分かります。
私も最初は「気って何なの!?意味分からない」と思いました。
でも、実は皆さんも日常的に「気」を使っているんですよ。

気を使う、気を遣う、気を付ける、気に入る、気が滅入る、気にする、気がつく、
気が強い、気が弱い、気がきく、気軽、気が重い、気にかける etc…

よく使う言葉ばっかりですね!
「この部屋、空気が悪いな〜」と感じたり、相手の様子を見てタイミングを伺ったり・・・
実はみなさん日々「気」を読み合っているんです。
こう考えると、「気」は身近なものだと感じられると思います!
「気」とは、人体を構成し、生命活動を維持する極めて細かい物質を表します。
全身の組織や器官を巡り、生命活動の原動力となります。
気には生まれ持った「先天の気」と、飲食物から得られる「後天の気」があります。
気は更に4つの種類に分類され、
・先天の気である「原気(げんき)」
・呼吸や血流を司る「宗気(そうき)」
・栄養分を持つ「営気(えいき)」
・身体を防御する「衛気(えき)」
これらの「気」がお互いにバランスを取りながら人体の健康を維持しています。
・・・何だか難しいですが、「気のバランスが崩れると身体の調子がおかしくなる」という解釈でOKです!
気滞って何?どんな状態?

東洋医学では、身体の「気・血・水」のバランスを重要視します。
このバランスが崩れることで体調不良が起こるのですが、
中でも身体に「気」が滞って循環不全を起こしている状態を「気滞」といいます。

「気」は本来であれば全身を循環してバランスをとるのですが、
体内を循環すべき「気」が一か所に留まってしまうと様々な異常が起こります。
気滞の症状は?

気滞を起こすと身体の循環不全が起こり、不調として出てくるのですね。
では具体的にどんな症状が出るのでしょうか?

詳しく解説します!
胸やみぞおちが張って苦しい
気滞で現れる症状として、「内側からパンッと張るような痛み」があります。
緊張するとお腹が張って痛んだり、胸やみぞおちの辺りが張って苦しくなった経験はありませんか?
これらは典型的な気滞の症状です。
上半身の張った痛み
気は上に昇りやすい性質があるので、気滞が頭や肩に及ぶと、頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。
いずれも「張ったような痛み」が特徴です。
のどに違和感がある
ストレスを感じた時に喉に違和感を感じたことのある方もいるのではないでしょうか?
何かが詰まっている感じがあるけど、水を飲んだり咳をしてみても解消しない、
実際には何も詰まっていないのに、喉に梅の種が詰まったような不快感がある・・・
この症状も典型的な気滞の症状です。

東洋医学では、梅の種が詰まっている感じがするため「梅核気(ばいかくき)」と呼びます。
西洋医学では「ストレス玉」「ヒステリー球」なんて呼ばれることも。
イライラしやすい、怒りっぽい
東洋医学では肝が「気」を全身に巡らせる働きを持っているので、気滞が発生すると、特に肝の機能が影響を受けます。

東洋医学では肝は怒りの感情を司ると言われているので、肝の働きが阻害されるとイライラや怒りっぽさが増します。
また、精神的ストレスがさらに気滞を悪化させる悪循環に陥ります。
緊張しやすい、ため息をよくつく
気滞により肝の機能が低下すると、自律神経系にも影響を与え、緊張しやすくなります。
身体の中に留まった気をどうにかして動かそうという生理反応が「ため息」です。
PMSの悪化
気滞により、生理前後の乳房の張りや腹部膨満感、頭痛などのPMS特有の症状が悪化します。
また自律神経の乱れや精神的不安定(イライラや憂鬱感)などのPMS症状も強まります。
どうして気滞になるの?

気滞の特徴、何個も当てはまります・・・

現代人はストレスフルな生活を送っているので、気滞の方はとっても多いんですよ。

どうして気滞になってしまうのか、教えてください!

詳しく解説します!
ストレス
気滞の原因として代表的なのが「ストレス」です。
強いストレスが加わると、全身の気の流れが乱されます。
更に、ストレスを発散できず自分の中に溜め込んでしまうと気滞が悪化します。

完璧主義だったり、自分の感情を抑圧しがちな方は、気滞が起きやすい精神状態と言えるでしょう。
肝の失調
東洋医学的にストレスと関係が強いと言われる臓腑は「肝」です。
「肝」が失調することにより、全身に気を伸びやかに届ける機能が低下し、気滞が発生しやすくなります。
乱れた食生活
食べ過ぎや脂っこい食事は消化に時間がかかり、胃腸の動きを乱すことで気滞を引き起こします。
運動不足
長時間のデスクワークなどで身体を動かす時間が少ないと気滞の原因となります。
姿勢の悪さ
デスクワークやスマートフォンの使用による姿勢の悪さでも気滞を引き起こします。
生活リズムの乱れ
昼夜逆転の生活や日々の夜更かしなどの生活リズムの乱れも気滞の原因となります。
気滞の改善方法は?

気滞のこと、よく分かりました。
でも具体的にどうすればいいんですか?

日常生活の注意点をいくつかお伝えしますね!
ストレス解消
一番大切なのはストレスを溜め過ぎないこと!
自分に合ったストレス解消法を持っておくと良いですね。
中でも身体を動かすことが気滞タイプの方には重要です。
気が滞るのは、身体の循環が悪くなっていることも大きな原因です。
デスクワークで1日中座りっぱなしの方や、運動習慣のない方は気滞になりやすいと言えるでしょう。

私は通勤でたくさん歩いているから大丈夫だと思うんですけど・・・
という方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっと待って!
気滞の解消のためには「目的のないゆったりとしたお散歩」程度の運動が合っています。
通勤や仕事中って、結構なストレスに晒されていますよね。
満員電車に揺られて職場に向かっている途中の歩行、
職場で立ち仕事中の歩行は、気滞の解消にはなかなか繋がりにくいかもしれません。
周りの景色を楽しみながらお散歩するのが気滞の解消にはおススメです♪

筋トレはどうですか?

適度な筋トレは全身の循環改善に役立ち、気滞の解消に繋がりますが、
激しすぎると逆効果になってしまうかも・・・
激しすぎる無酸素運動は、重いものを持ち上げる際に呼吸を止めてしまったり、
どうしても力むので逆に気滞が発生してしまうことも考えられます。
筋トレをされている方でも、適度な有酸素運動を取り入れることで気滞の解消に繋がりますよ!
気滞を解消して軽やかに毎日を送ろう!
運動する前は心身ともにだるくても、身体を動かしてみるとスッキリした!という経験をされたことがある方は多いと思います。
これぞ正に気滞の解消!
また、柑橘系の香りも気滞を解消するのに役立ちますよ。
ストレスを解消することは中々難しいかもしれませんが、対処できるときにしておかないと後々困ったことになることも・・・
気滞を放っておくと、もっと面倒な身体の症状を引き起こすこともありますので、今のうちに少しずつ対処していきましょう!
皆さんの気滞の解消に少しでもお役に立てば幸いです♪