皆さんこんにちは、鍼灸師の芍薬です!

最近ずっと微熱がある感じがして・・・
顔や頭がほてることが多くなりました。

それは大変ですね。
他にどんな症状がありますか?

喉が渇いて仕方ないのと、便秘気味です。
あと、月経の周期が短くなりました。

Bさんは陰虚(いんきょ)の傾向があるかもしれません。
詳しくお話を聞かせて頂けますか?
身体がほてる、のどや目が渇く、便秘ぎみ、生理が早く来る・・・
それは「陰虚」のせいかもしれません。
今回は「陰虚タイプ」について詳しく解説します!
陰虚って何?どんな状態?

東洋医学では、身体の「気・血・水」のバランスを重要視します。
「気」は身体の陽の部分、「血・水」は身体の陰の部分を担当しています。
このバランスが崩れることで体調不良が起こるのですが、
中でも体を潤し熱を冷ます「陰」のエネルギーが不足している状態を「陰虚」といいます。
簡単に言うと、体の中の「クーラー」が壊れてしまっているイメージです。
陰虚の症状は?

陰虚になると身体を潤したり体温を下げる機能がうまく働かなくなり、不調として出てくるのですね。
具体的にどんな症状が出るのでしょうか?

詳しく解説します!
身体がほてる
陰虚になると身体の熱を冷ます力が弱くなり、身体がほてるようになります。
また顏が赤みを帯びやすくなります。
のどが渇く
体内の水分が不足することでのどが渇きやすくなります。
肌、目が乾燥する
身体に潤いを与える「陰」のエネルギーが少なくなると、肌や目が渇きやすくなります。
便秘しやすい
陰虚タイプの方は体内の水分が少なくなっているので、乾燥してコロコロしたお通じになります。
月経周期が短くなる(生理が早く来る)
身体に熱がこもることで月経周期が短くなり、生理が早く来るようになります。
また、経血量は少なくて粘り気があり、排出時に熱感がある場合もあります。
不眠、寝汗をかく
東洋医学的に夜は陰の時間といわれていますが、体内の陰が少なくなることで寝付きが悪くなります。
また体内の水分バランスが崩れることで身体に熱がこもり、寝汗をかきやすくなります。
どうして陰虚になるの?

陰虚の特徴、何個も当てはまります・・・

慢性的なストレスがある方は特に陰虚になりやすいと言えます。

どうして陰虚になってしまうのか、教えてください!

詳しく解説します!
水分不足
そもそも水分不足だと身体に潤いを与える材料が足りないため、陰虚になります。
消化を司る「脾」の機能が低下しているために、水分をたくさん採っているつもりでも、体内にうまく取り込むことができない方も多いです。

水分の採り方と胃腸の調子を整えることが大切です!
慢性的なストレス
激務などで慢性的に疲労が溜まることで、腎の機能が弱まり、陰液の生成ができなくなります。
また睡眠不足だと陰液の回復ができず、陰虚状態が悪化していきます。
ストレスによるイライラで身体に熱がこもることで陰液が損傷します。
加齢による腎の衰え
東洋医学的に腎は体内の水分代謝を司りますが、腎は加齢とともに機能が衰え始めます。
特に50代以降になると、「腎精」という腎のエネルギーが減少しはじめ、それにより腎陰が不足し、ほてりなどが出やすくなります。

更年期障害の症状と似ていますね。
身体に熱をこめやすい生活習慣
辛いものや脂っこいものを好んで食べたり、タバコなどで身体に熱を取り入れやすい方は陰虚になりやすいといえます。
セルフチェック!陽虚の身体的な特徴は?

東洋医学では、舌や脈を見ることで身体の状態をチェックします。
陽虚の身体にみられる特徴は以下の通り。

鏡でご自身の舌をチェックしてみるのもおすすめです!
陰虚の改善方法は?

陰虚のこと、よく分かりました。
でも具体的にどうすればいいんですか?

日常生活の注意点をいくつかお伝えしますね!
身体を潤わせる食事
まずは身体を潤わす食事を摂りましょう!
できるだけ脾胃に負担をかけずに上手に水分を取り入れましょう。
サウナは避ける
最近人気の健康法であるサウナですが、陰虚タイプの方はサウナ注意です!
サウナは体内の水分を汗として大量に出してしまうため、もともと体内の水分が不足している陰虚タイプの人にとっては逆効果になってしまいます。
また、サウナによってさらに体の中に熱がこもってしまい、陰虚が悪化してしまう可能性があります。
入浴はぬるめのお湯(38~40℃)でゆっくりリラックスして行いましょう。
ストレス解消
過度なストレスは身体に熱を溜めこみやすくなります。
自分なりのストレス解消法を見つけてケアできるようにしましょう!
激しい運動は身体に熱を込めやすいので、軽いお散歩などでストレス解消できるととても良いですね。
陰虚を改善して心地よく過ごそう!
いかがでしたでしょうか?
暑がりでのどが渇く方、慢性的に便秘気味でお困りの方・・・
そんな方はもしかしたら「陰虚」タイプかもしれません。
ご自身の体質の大枠を掴んでおくと今後の体調管理がとても楽になりますよ!
どうぞお身体大切に、養生なさってください♪