こんにちは、芍薬です!
年も明けて、すっかり日常生活が戻ってきましたね。
年末年始に暴飲暴食してしまって、中々体調が戻らない・・・という方も多いのではないでしょうか。
今日は「食欲不振」について東洋医学的に考えていきたいと思います!
食欲不振はどんな時に起きる?
早速ですが、食欲不振が起こる理由を東洋医学的に考えてみると、以下の理由が挙げられます。
・肝気犯胃
・湿熱困脾(脾胃湿熱)
・胃陰虚
・脾胃気虚→脾胃陽虚
・脾腎陽虚
・傷食 etc…
何だか難しい言葉がたくさん並んでいますが、代表的なものから見ていきましょう!
肝気犯胃(かんきはんい)
肝気犯胃(かんきはんい)とは、
①ストレス等により肝の作用が低下し、気滞が発生
②発生した気滞が胃の機能の邪魔をし、食欲がなくなる
ために起こります。
前回の記事で肝と気滞の関係をご紹介しましたが、こうやって他の臓腑にも影響を及ぼしてしまうのですね。
湿熱困脾(しつねつこんひ)・脾胃湿熱(ひいしつねつ)
次の2つは、
①飲食の不摂生や脂っこいもの、甘いものの食べ過ぎ、お酒をたくさん飲み過ぎる
②消化器官である脾と胃に湿熱がこもる
③脾と胃の機能が失調し、食欲がなくなる
状態です。
胃陰虚(いいんきょ)
胃陰虚は、
①風邪などを引いた時に熱が出る
②その熱(熱邪)によって胃の水分が消耗し、胃の機能が失調する
ために食欲不振となります。
脾胃気虚(ひいききょ)→脾胃陽虚(ひいようきょ)
脾胃気虚は、飲食が乱れたりひどく疲れたりすることで、消化器官である脾胃に気虚が生じることで発症します。
「気虚」が悪化すると「陽虚」という状態になることは前回の記事で取り上げました。
脾胃気虚も同じで、脾胃陽虚になると下痢や腹痛、手足が冷える等冷えの症状が出てきます。
脾腎陽虚(ひじんようきょ)
先ほどの脾胃陽虚と似ていますが、今度は「腎」が名前に入っていますね。
こちらも脾胃気虚が進行した状態です。
東洋医学的に、腎は老化に関係する臓腑。
老化が進むことにより脾と同時に腎も失調すると、食欲不振の他に腹痛や明け方の下痢、また腎の失調により尿の異常が出ることもあります。(尿の出が悪い、夜間尿など)
傷食(しょうしょく)
これはシンプルな「食べ過ぎ、飲みすぎ」の状態です。
たくさん飲食した分、消化が追い付かず胃に停滞しているために食欲がなくなります。
食欲不振は胃だけの問題ではない!
食欲不振を引き起こす東洋医学的な症状をお伝えしてきました。
ここで気付くのは、食欲がなくなる原因は「胃」だけの問題ではないということ。
・脾や胃などの消化器官単体の問題
・精神的なストレスが関わっている状態
・肉体的なストレスが関わっている状態
これら全てで食欲不振が起こり得る、ということなんですね。
私は職業柄、「最近食欲がないけど、何が原因か分からない・・・」という方によくお会いします。
そういった方にお話を聞いていくと、ご自身でも気づいていなかった原因が隠れていることがほとんどです。
食欲不振の原因を知るために
いかがでしたか?
このようにザックリとご紹介しただけでも、食欲不振を引き起こす原因がたくさんあることが分かりますね。
東洋医学では、その原因を日常生活をしっかりお伺いすることや舌、脈、体中のツボを診ることで判断していきます。
体質も生活状況も人それぞれ。
東洋医学を使えば、ご自身に合ったオーダーメイドの治療を受けることができるかもしれません。
興味をお持ち頂いたら、ぜひ東洋医学を専門とする鍼灸院に相談してみて下さい!
この記事が皆様のお役に立ちましたら幸いです!