気滞が悪化するとどうなる?気鬱化火って何?詳しく解説!

東洋医学

皆さんこんにちは、芍薬です!

先日は「気滞」について詳しく解説しました。

まだ読んでいない方は先にこちらの記事を読んでから今回の記事を読むことをおすすめします。

今回は前の記事の続きとして、気滞が悪化するとどんな症状が出るのか詳しく解説したいと思います!

気滞ってどんな症状?おさらいしよう

まずは肝心の「気滞」について。

気滞とは一言でいうと「体内にバランスよく循環すべき気が滞っている」状態のこと。

言わば「気の循環障害」ですね。

気滞が起こると張ったような痛みが出たり、胸やみぞおちの辺りが張って苦しくなったり、

「梅核気」と呼ばれる喉の違和感、肩こりや頭痛などが引き起こされます。

また、イライラしやすくなったり、抑うつ感があったり・・・

精神的な症状も気滞の特徴です。

気滞を放っておくとどうなる?

これらの気滞の症状は、ストレスを感じやすい現代人に現れやすい症状と言えるでしょう。

ストレス発散や軽い運動などができれば気滞に上手に対処できるのですが、忙しくて中々生活習慣を変えられない方も多いですよね。

辛い症状を抱えたまま、何とかごまかしながら日々の生活を送っている方も多いでしょう。

でも、そのまま過ごしていると気滞が次のステップへ進んでしまう可能性があるんです。

熱症状が出てくる

気滞を放置していると、何と熱を生み出してしまうんです!

なぜ熱が生まれるの?と疑問に思う方も多いと思います。

気は元々エネルギーの源です。

そんな気は全身にバランスよく散布されているからこそ、体温をうまく調節したり、身体を程よく温めたりすることができます。

それがある一定の部分に固まってしまったら・・・

そこだけに気が集まって、不必要な熱を生んでしまうのも納得ではないですか?

この「気滞が熱を生じた状態」を「気鬱化火(きうつかか)」と言います。

気鬱化火ってどんな症状?

何だか難しい四字熟語が出てきましたね。

この「気鬱化火」という状態になると、何が起こるのでしょうか?

顔面がほてる

怒っている人の顔を思い浮かべてみて下さい。どんな様子でしょう?

顔が紅くなっていると思いませんか?

こんな感じで顔を真っ赤にして怒っている姿が思い浮かびますよね。

これは「気鬱化火」の症状と言えます。

目が充血する、耳鳴り、頭痛

気鬱化火によって体内に熱が生じると、その熱が身体の上の方に昇っていきます。

エアコンで暖房をつけると、温かい空気はは天井近くに留まってしまいますよね。

身体の中でも同じことが起こるんです。

身体の中で発生した熱は、上に昇っていくのですね。

すると、目や頭、耳などに症状が出るようになります。

目が充血したり、耳鳴りがしたり、頭痛がしたり・・・

上に昇った熱が悪さをした結果、このような症状が現れます。

喉が渇く

熱が上に昇ることによって喉の渇きを感じるようになります。

また、冷たい飲み物を好むようになることも。

身体に熱が生じることで、体内で必要な水分(東洋医学では「津液(しんえき)」と言います)が損傷してしまうので、喉が渇くのですね。

最近冷たい飲み物を好むようになった方は、身体で発生した熱をどうにかして下げたい!という身体からのサインかもしれません。

便秘になる

身体に熱がこもり、身体の中の水分(津液)が損傷します。

すると、お通じに行くはずだった水分も消耗してしまうので、便秘傾向になります。

急に便秘気味になった方は、身体に熱がこもっているのかもしれませんね。

月経周期が不安定になる、月経量の増加

身体に熱がこもった状態になると、月経の周期が早まる傾向にあります。

また月経血の量が増加したり、PMSが悪化して気持ちの浮き沈みが激しくなることも。

心煩(しんはん)といって不安感や焦燥感で胸がザワつく、集中力が低下する、睡眠障害などの症状も現れることがあります。

気滞の解消に重要な臓腑は「肝」!

ここまで「気滞」→「気鬱化火」への変化について詳しく解説してきました。

ここで東洋医学的に忘れてはいけない「臓腑」の話をしたいと思います!

東洋医学的に、ストレスと深く関わる臓腑は「肝」です。

東洋医学の「肝」と、西洋医学の「肝臓」では、名前が似ていますが働きは大きく異なります。

東洋医学の「肝」は、体内の気の流れを調節したり、感情のバランスを整える作用があります。

そんな肝の作用が失調すると、気滞の中でも特に肝の失調に関わる「肝鬱気滞」という病証になります。

肝鬱気滞が進行すると、気鬱化火になるのですね。

ということは、悪化させないためには肝をいたわらなくてはなりませんね!

肝をいたわる生活を心がけよう

では、肝をいたわる為にはどうしたらよいのでしょうか?

まず食べ物に酸味を取り入れてみましょう!

適度な酸味は肝の働きを高め、気滞の解消に役立ちます。また酸味には収斂作用があり、過剰な熱や興奮を抑える役割も果たしてくれます。

酸味は消化を助ける作用もあり、胃の働きを良くしてくれるので、身体全体の気の循環の改善にも役立ちます。

最近コンビニに行くと、酸っぱい味のグミが豊富に取り揃えられているのを目にしませんか?

これはストレス社会で戦う皆さんが無意識のうちに酸味を欲しているからではないか・・・と思ってみたり。

グミも美味く手軽に酸味を取ることができますが、砂糖がたくさん使われている場合もありますので注意!

血糖値の急上昇、急低下で身体にストレスを与えかねませんし、過剰な甘味は消化吸収に携わる「脾」と「胃」の働きを悪くしてしまいます。

ぜひ、梅干しや柑橘類などの自然な酸味を日常に取り入れてみて下さい!

また、辛いものや脂っこいものは身体の中で熱を生みやすいので、食べ過ぎ注意です。

お酒も程々にしておきましょう!お酒は西洋医学的にも肝臓に良くないですが、東洋医学的にも過剰な飲酒は情緒を不安定にし、気の流れを悪くする要因になります。

お酒を飲むと身体が熱くなりますよね。お酒も身体に熱を溜めこみやすいので注意です。

養生が肝心!

いかがでしたか?

気滞が進行すると面倒であるということがお分かり頂けたのではないでしょうか。

何事も、進行してしまうと元の状態に戻すのは大変です。

症状が比較的軽いうちに、養生して解消できるものは解消していきましょう!

それでも中々ご自身だけで健康管理するのは大変ですよね。

そんな時は私たちのような東洋医学を専門にする鍼灸師に頼ってみて下さい。

きっと新しい発見ができると思いますよ。

この記事が皆さんのお役に立ちましたら幸いです!

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