皆さんこんにちは、芍薬です!
前回の記事で体質タイプ診断をご紹介しました。
今日は体質タイプの中でも「気虚タイプ」について詳しく解説していきたいと思います!
そもそも「気」って何?
「気」とは、人体を構成し、生命活動を維持する極めて細かい物質を表します。
全身の組織や器官を巡り、生命活動の原動力となります。
気には生まれ持った「先天の気」と、飲食物から得られる「後天の気」があります。
気は更に4つの種類に分類され、
・先天の気である「原気(げんき)」
・呼吸や血流を司る「宗気(そうき)」
・栄養分を持つ「営気(えいき)」
・身体を防御する「衛気(えき)」
これらの「気」がお互いにバランスを取りながら人体の健康を維持しています。
・・・何だか難しいですが、「気のバランスが崩れると身体の調子がおかしくなる」という解釈でOKです!
気虚ってどんな状態?
それでは、「気虚」とはどんな状態でしょう?
気虚とは、
・気を身体の中でうまく作れなくなってしまった
・元々ある気をひどく消耗してしまった
等の理由のために、体内の気の量が減ってしまっている状態のことです。
気が不足していることで身体の機能がうまく働かなくなり、不調として出てくるのですね。
気虚の原因①飲食物の不足
気虚の原因の一つに、食事量の不足が挙げられます。
ダイエット等で食べる量が少なかったり、不摂生で食事の栄養価が少なかったりすると、体内で気を作り出すことができずに気虚状態となります。
気虚の原因②疲れすぎている
大病を患ったり、激務などで慢性的に疲労が溜まっていたりすることで気が消耗してしまう状態です。
また睡眠不足などで気の回復が追い付かず、気虚状態が悪化していきます。
気虚の原因③気を作る臓腑の機能が低下している
東洋医学で気の生成に関わる主な臓器は「脾」と「胃」です。
これらの機能が失調すると、飲食物からうまく気を作ることができずに気虚状態となります。
たくさんご飯を食べているのに元気が出ない、消化不良でうまく吸収できない方は脾胃の不調かもしれません。
気虚の症状①倦怠感、身体がだるい
気虚に特徴的な症状は何といっても「倦怠感」です。
気が不足していることで全身に栄養が行きわたらず、疲れやすくなります。また身体に力が入らなくなります。
休んでも休んでも身体がだるい・・・
寝ても疲れがとれない・・・
そういった症状のある方は「気虚」を疑いましょう。
気虚の症状②めまい
東洋医学では、気虚により頭部に栄養が届かないためにめまいが出ると考えます。
栄養不足でめまいがする・・・というのも容易に想像できますね。
気虚の症状③息切れ、話すのがおっくうになる
呼吸を司る「宗気(そうき)」や「肺」という臓器にある気が不足すると、息切れが起こります。
また、話すのがかったるくなり、面倒くさがるようになります。
いつもダルそうな話し方をしているあの人も、もしかしたら気虚タイプかも・・・?
気虚の症状④汗をかきやすい
身体の防衛作用に関わる「衛気(えき)」が不足すると、東洋医学の汗腺である「腠理(そうり)」の調節機能が失調し、汗腺が開きっぱなしになってしまうために自分だけ汗をかくという状態になります。
暑くないのに、周りの人は汗をかいていないのに自分だけ汗をかいている・・・
そんな経験をされた方はもしかすると気虚の症状かもしれません。
気虚の症状⑤風邪をひきやすい
「衛気」が不足するということは、風邪などの「外邪」に体内に侵入されやすいということ・・・
風邪だけでなく、あらゆる病気にかかりやすくなります。
気の失調=免疫機能の低下と言うことができるでしょう。
気虚の症状⑥下痢しやすい
気虚タイプの方は、食べ物の栄養を気に変化させるための「脾」という臓腑の働きが失調していることが多いです。
食べたものをうまく消化吸収できずに下痢気味になってしまいます。
気虚を改善する方法は?
気虚の症状については理解できたし、何個か自分に当てはまっているみたい。
ここまで分かったら、今度は改善方法を考えていきましょう!
辛い気虚状態をを改善するにはそうしたら良いのでしょうか?
気虚の改善方法①十分な休養
まずは十分な休養を取ること!
皆さん、スケジュール帳に空きはありますか?
仕事に勉強、家族の予定、遊びの予定など、気付いたら全く休みがなかった・・・
そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
できれば週に1回、難しければ月に1日でも何もない休日を作って頂きたいです。
休みであっても出かける予定で埋まっていると、心身ともに十分な休養をとることが難しくなります。
食事を作ることも、掃除なども1日すべて休んで、身体を休める時間を作ってみて下さい。
気虚の改善方法②睡眠環境を整える
寝る前についついスマホを触ってしまうことはありませんか?
寝る前に明るい光を目に入れてしまうのは、睡眠の妨げになります。
良質な睡眠は気を回復させるために重要です!
寝る少し前からスマホを控え、明かりを暗くする等で睡眠に向けた準備をしていきましょう。
気虚の改善方法③適温での入浴
少し前にサウナが健康管理の一環としてブームになりました。
現在では「サウナで整える」健康法がすっかり根付いていますよね。
ですが気虚タイプの方にサウナはおすすめできません!
元々気が不足しているところに、高温で汗を出すことで更に気が不足してしまう原因となります。
良かれと思って頑張ってサウナに入ったのに、もっと身体がだるくなってしまうなんてことに・・・
気虚タイプの方には、ぬるめのお湯(38~40℃)で身体がだるく前に出ることをおすすめします。
流行りの健康法であっても、ご自身の体質に合っていなければ逆効果になることもありますので注意です。
気虚の改善方法④消化に良い食事
甘いもの、冷たいもの、脂っこいものの食べ過ぎは気の生成に重要な役割を果たす「脾」を失調します。
脾が弱い方は食事の栄養を気に変化させる機能が弱っているので、気虚になりやすいです。
脾に優しい食事を心がけましょう!
具体的には、
・パンよりお米:お米には気を補う作用があります。
「気」の旧字体である「氣」の真ん中にはお米の字がありますね。
昔からお米が気の生成に深く関わっていると考えられていたのです。
おかゆのように、消化しやすい形にするのがおすすめです◎
・かぼちゃやさつまいもを取り入れる
気虚が進行すると、陽虚といって冷えの症状が出てきます。
気虚タイプの方は冷え症になりやすいので、身体を温める作用のあるかぼちゃやさつまいも等を食事に取り入れることをおすすめします!
かぼちゃ、さつまいも等の優しい甘味は脾を補ってくれます。(甘いものの食べ過ぎは逆効果なので注意です!)
・肉は脂っこくないものを
油分が多すぎるものは脾にダメージを与えます。
鶏肉などの油が少ない肉を選ぶのが良いでしょう。
しゃぶしゃぶ等で油を落とすのも良いですね!
気虚を改善して元気に過ごそう!
いかがでしたでしょうか?
原因不明の身体のだるさでお困りの方、
風邪を引きやすくて困っている方、
慢性的に下痢気味でお困りの方・・・
そんな皆様はもしかしたら「気虚」体質かもしれません。
ご自身の体質の大枠を掴んでおくと今後の体調管理がとても楽になりますよ!
ご自身が気虚タイプであるか、プロにご相談されたい方はお近くの東洋医学を得意とする鍼灸院や漢方薬局の先生などにご相談されてみてはいかがでしょうか?
この記事が皆さんのお役に立ちましたら幸いです!